治療方法

現在、「ソアラ療法」の特集中です

現在、癌治療情報センターでは「ソアラ療法」の特集中です。 リンク先:ソアラ療法

●ソアラ療法とは

ソアラ療法は温熱療法の一つで、温水によって身体を温め、本来、生まれながらにして備わっている免疫力(病気から免れる力)を高め、がんの治療と予防を目指す療法です。

人間の身体は、過度なストレスなどを受けると体温や呼吸をコントロールする自律神経のバランスが崩れることがあります。自律神経は、自動車のアクセルのような働きをする交感神経とブレーキのような働きをする副交感神経とがバランスを取り、健康な状態を維持しますが、ストレスなどによって交感神経が優位な状態が続くと、血管が収縮し、血流も低下してしまいます。

私たちの身体は60兆個ともいわれる細胞でできていますが、全身の血流がスムーズに行われないと、これらの細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなります。すると、一つひとつの細胞にあるエネルギー産生を行うミトコンドリアという器官の働きが落ち、細胞はがん細胞へと突然変異してしまうことがあります。さらに、免疫力を担う免疫細胞も数が減り、働きも衰えしてしまうため、がん細胞が増殖しやすい体内環境を与えることになってしまいます。

ソアラ療法は、自分の体内で作りにくくなったエネルギーを、酸素供給と熱伝導率の高い温水によって外から安全に供給し、全身の体温を39度以上に高めることで、がんが増殖しづらい体内環境へと改善することを目指している治療法です。三大療法では治療に限界がある、遠隔転移がみられる進行がんや再発がんにも効果が期待でき、また三大療法後の再発予防にも用いられています。

自己の免疫機能回復にスイッチを入れる外科的酸化還元療法

人間は遺伝子により病気を撃退する多数のメカニズムを持っています。ソアラ療法はそのメカニズムにスイッチを入れるのです。病気を撃退するメカニズムには、以下のようなものがあります。

1)病気の細胞を自ら死に導くメカニズム
2)病気と闘う免疫力を高めるメカニズム
3)病気の細胞の正常化を導くヒートショックタンパク質増加メカニズム
4)病気の細胞を破壊する体内環境を作るメカニズム

ソアラ療法のがんへの適応
『がん細胞は熱に弱い』という事実は、すでに紀元前3000年の古代より知られており、数々の論文も存在します。最近では癌細胞は熱に弱く43℃の熱で死滅するという性質を利用し、電磁波等で局所を加温しがん細胞を熱で直接死滅させる局所ハイパーサーミアが行われています。

転移するという特徴をもつがん細胞を根治させるには、がんだけをターゲットにするのではなく全身温熱治療によって全身の免疫を上げるのがよいということは昔から言われておりますが、従来の遠赤外線、電磁波等による加温方法では、精密な体温コントロールが容易ではなく、広く浸透するには至っておりません。一方、温水による加温は体温コントロールという点では優れていることは解っておりましたが、比熱の大きな温水を精密に温度コントロールすることが不可能と考えられていました。

ソアラ療法は温水を使用して、0.1℃単位の温水及び体温の高精度のコントロールが可能なシステムの開発に世界で初めて成功しました。これによって全身温熱治療という昔から効果があると言われてきたが実現できなかった方法を初めて安全に、行うことができるようになったのです。

ソアラ療法の歴史
過去10年という歳月をかけ動物実験により安全性と効果の検証を行われてきました。2007年からは臨床の現場で末期がん患者を中心に60例以上2000回に及ぶ患者に施術を行い効果と安全性を確認されています。

ソアラ療法の効果(メリット)>

免疫細胞の数を増やし、働きを活性化

温熱効果によって体温を39度以上に高めると、指先や足先といった抹消の血流もよくなります。血流によって全身の細胞に十分な酸素と栄養を行き渡らせることで、一つひとつの細胞にあるエネルギー産生にかかわるミトコンドリアという器官が活性化し、がん細胞を攻撃・撃退する免疫細胞の数を増やし、働きを活性化することが期待できます。

がん細胞を死滅

がん細胞は、正常な細胞と比べて血流が少なく、酸素も不足しています。そのため、がん細胞が高い温度で温められると、がん細胞内の温度が上がり、死んでしまいます。ソアラ療法はこうしたがん細胞の熱に弱い性質を利用して、がん細胞自体を殺す効果が期待できます。

傷ついた細胞の修復

病気やストレスによって細胞が傷つくと、それを修復するために細胞は「熱ショックタンパク(ヒートショックプロテイン)」というたんぱく質をつくり出し、自らを修復します。熱ショックタンパク質が最も効率的につくられるのが温熱による刺激であることから、ソアラ療法によって全身を温め、体温を上げることで、傷ついた細胞の修復が効果的に促されることが期待できます。

自己免疫力の活性化

がん細胞は正常な細胞が突然変異したもので、がん細胞にだけ現われる目印があります。ところががん細胞は、正常な細胞と見分けがつかないように自らを隠すことができます。温熱などの刺激によってつくられる熱ショックタンパク質は、隠れているがん細胞の目印(抗原提示能)を引き出す作用があることから、ソアラ療法で全身を温めることで、がん細胞と正常細胞との区別がつきやすくなります。しかも熱ショックタンパク質はがん細胞を撃退する免疫細胞を活性化させるため、がんに対する自己免疫力の高まりが期待できます。

その他

自分の免疫細胞を体外に取り出し、大量に培養して再び体内に戻すことで、本来の免疫力を高め、がん細胞に対する攻撃力を高めようとする「がん免疫細胞療法」と、ソアラ療法を並行して行うことで、自己免疫細胞の活性化によるがんへの攻撃力がより増すことも期待できます。

その他、ソアラ療法によって成長ホルモンの分泌が活性化するという報告があります。大人になると成長ホルモンはほとんど分泌されず、老化をたどります。がんの発症もまた老化現象の一つという見方もありますが、ソアラ療法によって細胞レベルのアンチエイジング(抗老化)も期待されています。

<ソアラ療法のリスク(副作用)>

特に問題のある副作用は現在のところ報告されていません。

癌の三大療法
  • 抗がん剤治療
  • 手術による治療
  • 放射線治療
統合医療
  • 温熱療法
  • 免疫療法
  • 代替療法
  • その他の先端医療
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