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現在、「ソアラ療法」の特集中です

現在、癌治療情報センターでは「ソアラ療法」の特集中です。 リンク先:ソアラ療法

●三大療法以外の治療法とは

がんの標準治療でもある三大療法(外科療法・放射線療法・化学療法)は、がん細胞にだけターゲットを絞り、症状に対して治療を行う西洋医学の対症療法が中心です。ところが多くのがんは進行によってがん細胞が全身に散らばり、身体のいたるところで増殖します。がんが「全身病」と呼ばれるのはこのためです。

全身にまわったがんを治療する手立てとしては、標準治療でも抗がん剤治療という選択肢があります。しかし抗がん剤は、治療効果が期待できるがんとそうでないがんがあり、そのうえ副作用のリスクもあります。

西洋医学のがん治療の限界を補うために、主に自然治癒力を高め、全身的な治療を目指す「温熱療法」や「免疫細胞療法」、「漢方療法」などの治療法も盛んに行われています。

このような治療法は補完療法や代替療法と呼ばれることもあり、特に三大療法では治療に限界がある「進行がん」(遠隔転移がある状態)や「再発がん」、すい臓がんや肺がんの一部などの「難治がん」で選択されることが多く、他のがんでも相乗効果を期待して、三大療法と組み合わせて治療が行われることが増えています。

●温熱療法とは

人間には生まれながらにして病気から免れる「免疫力」が備わっています。病気やケガを自然に治す力でもあるため「自然治癒力」とも呼ばれています。

温熱療法は、がん細胞が熱に弱いという性質を利用し、全身もしくはがんのできている局所に温熱を与え、身体全体の免疫を高めたり、局所的にがんの活動を弱めたりすることで、がんの治療や予防を目指す療法です。温熱療法の歴史は古く、本格的な研究は1960年代から始まっています。

温熱療法は、全身にがん細胞が遠隔転移しているような進行がんや、手術などの標準治療の手立てがなくなった再発がんにも効果が期待されています。その他のがんに対しても、放射線治療や抗がん剤治療の効果を強めるために、温熱療法が併用されることがあります。

また、体温の上昇によって全身の免疫力が活性化されるため、がんを始めとする病気予防への効果も期待されています。

<温熱療法の効果>

がん細胞を死滅

がん細胞は、正常な細胞と比べて血流が少なく、酸素も不足しています。そのため、がん細胞が高い温度(42~43度)で温められると、がん細胞内の温度が上がり、死んでしまいます。温熱療法はこうしたがん細胞の熱に弱い性質を利用して、がん細胞自体を殺す効果が期待できます。

がん細胞の自殺を促し、免疫細胞を活性化

がん細胞は自殺(アポトーシス)することが分かっており、がん細胞の自殺をコントロールしているのが細胞の中にあるミトコンドリアという小器官です。温熱によって全身を温め、全身の血行を促すことでこのミトコンドリアが活性化し、がん細胞の自殺が促されることが期待できます。

さらに、血行の改善で全身に酸素が十分にいきわたることで免疫力に関連する白血球などの細胞とその働きが活性化し、がん細胞に対する攻撃力が高まることも期待できます。

傷ついた細胞の修復

病気やストレスによって細胞が傷つくと、それを修復するために細胞は「熱ショックタンパク(ヒートショックプロテイン)」というたんぱく質をつくり出し、自らを修復します。熱ショックタンパク質が最も効率的につくられるのが温熱による刺激であることから、温熱療法によって全身を高温で温めることで、傷ついた細胞の修復が効果的に促されることが期待できます。

自己免疫力の活性化

がん細胞は正常な細胞が突然変異したもので、がん細胞にだけ現われる目印があります。ところががん細胞は、正常な細胞と見分けがつかないように自らを隠すことができます。温熱などの刺激によってつくられる熱ショックタンパク質は、隠れているがん細胞の目印(抗原提示能)を引き出す作用があることから、温熱療法で全身を温めることで、がん細胞と正常細胞との区別がつきやすくなります。しかも熱ショックタンパク質はがん細胞を撃退する免疫細胞を活性化させるため、がんに対する自己免疫力の高まりが期待できます。

放射線の副作用を増悪させない

温熱療法は放射線や抗がん剤治療を合わせて行われることがありますが、放射線治療と併用した場合、放射線の副作用を増悪させないという報告が多くあります。

<温熱療法の副作用>

温熱療法は、身体に熱を与えるため、その部分がやけどをしたり、痛むことがあります。また、温熱療法の機器にはいくつか種類がありますが、身体の深いところを熱するのに向いている高周波の機器を使った場合は、脈が速くなる(頻脈)、体温が上がるといった症状が現われることがあります。

●ソアラ療法とは

ソアラ療法は温熱療法の一つで、温水によって身体を温め、本来、生まれながらにして備わっている免疫力(病気から免れる力)を高め、がんの治療と予防を目指す療法です。

人間の身体は、過度なストレスなどを受けると体温や呼吸をコントロールする自律神経のバランスが崩れることがあります。自律神経は、自動車のアクセルのような働きをする交感神経とブレーキのような働きをする副交感神経とがバランスを取り、健康な状態を維持しますが、ストレスなどによって交感神経が優位な状態が続くと、血管が収縮し、血流も低下してしまいます。

私たちの身体は60兆個ともいわれる細胞でできていますが、全身の血流がスムーズに行われないと、これらの細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなります。すると、一つひとつの細胞にあるエネルギー産生を行うミトコンドリアという器官の働きが落ち、細胞はがん細胞へと突然変異してしまうことがあります。さらに、免疫力を担う免疫細胞も数が減り、働きも衰えしてしまうため、がん細胞が増殖しやすい体内環境を与えることになってしまいます。

ソアラ療法は、自分の体内で作りにくくなったエネルギーを、酸素供給と熱伝導率の高い温水によって外から安全に供給し、全身の体温を39度以上に高めることで、がんが増殖しづらい体内環境へと改善することを目指している治療法です。三大療法では治療に限界がある、遠隔転移がみられる進行がんや再発がんにも効果が期待でき、また三大療法後の再発予防にも用いられています。

自己の免疫機能回復にスイッチを入れる外科的酸化還元療法

人間は遺伝子により病気を撃退する多数のメカニズムを持っています。ソアラ療法はそのメカニズムにスイッチを入れるのです。病気を撃退するメカニズムには、以下のようなものがあります。

1)病気の細胞を自ら死に導くメカニズム
2)病気と闘う免疫力を高めるメカニズム
3)病気の細胞の正常化を導くヒートショックタンパク質増加メカニズム
4)病気の細胞を破壊する体内環境を作るメカニズム

ソアラ療法のがんへの適応
『がん細胞は熱に弱い』という事実は、すでに紀元前3000年の古代より知られており、数々の論文も存在します。最近では癌細胞は熱に弱く43℃の熱で死滅するという性質を利用し、電磁波等で局所を加温しがん細胞を熱で直接死滅させる局所ハイパーサーミアが行われています。

転移するという特徴をもつがん細胞を根治させるには、がんだけをターゲットにするのではなく全身温熱治療によって全身の免疫を上げるのがよいということは昔から言われておりますが、従来の遠赤外線、電磁波等による加温方法では、精密な体温コントロールが容易ではなく、広く浸透するには至っておりません。一方、温水による加温は体温コントロールという点では優れていることは解っておりましたが、比熱の大きな温水を精密に温度コントロールすることが不可能と考えられていました。

ソアラ療法は温水を使用して、0.1℃単位の温水及び体温の高精度のコントロールが可能なシステムの開発に世界で初めて成功しました。これによって全身温熱治療という昔から効果があると言われてきたが実現できなかった方法を初めて安全に、行うことができるようになったのです。

ソアラ療法の歴史
過去10年という歳月をかけ動物実験により安全性と効果の検証を行われてきました。2007年からは臨床の現場で末期がん患者を中心に60例以上2000回に及ぶ患者に施術を行い効果と安全性を確認されています。

ソアラ療法の効果(メリット)>

免疫細胞の数を増やし、働きを活性化

温熱効果によって体温を39度以上に高めると、指先や足先といった抹消の血流もよくなります。血流によって全身の細胞に十分な酸素と栄養を行き渡らせることで、一つひとつの細胞にあるエネルギー産生にかかわるミトコンドリアという器官が活性化し、がん細胞を攻撃・撃退する免疫細胞の数を増やし、働きを活性化することが期待できます。

がん細胞を死滅

がん細胞は、正常な細胞と比べて血流が少なく、酸素も不足しています。そのため、がん細胞が高い温度で温められると、がん細胞内の温度が上がり、死んでしまいます。ソアラ療法はこうしたがん細胞の熱に弱い性質を利用して、がん細胞自体を殺す効果が期待できます。

傷ついた細胞の修復

病気やストレスによって細胞が傷つくと、それを修復するために細胞は「熱ショックタンパク(ヒートショックプロテイン)」というたんぱく質をつくり出し、自らを修復します。熱ショックタンパク質が最も効率的につくられるのが温熱による刺激であることから、ソアラ療法によって全身を温め、体温を上げることで、傷ついた細胞の修復が効果的に促されることが期待できます。

自己免疫力の活性化

がん細胞は正常な細胞が突然変異したもので、がん細胞にだけ現われる目印があります。ところががん細胞は、正常な細胞と見分けがつかないように自らを隠すことができます。温熱などの刺激によってつくられる熱ショックタンパク質は、隠れているがん細胞の目印(抗原提示能)を引き出す作用があることから、ソアラ療法で全身を温めることで、がん細胞と正常細胞との区別がつきやすくなります。しかも熱ショックタンパク質はがん細胞を撃退する免疫細胞を活性化させるため、がんに対する自己免疫力の高まりが期待できます。

その他

自分の免疫細胞を体外に取り出し、大量に培養して再び体内に戻すことで、本来の免疫力を高め、がん細胞に対する攻撃力を高めようとする「がん免疫細胞療法」と、ソアラ療法を並行して行うことで、自己免疫細胞の活性化によるがんへの攻撃力がより増すことも期待できます。

その他、ソアラ療法によって成長ホルモンの分泌が活性化するという報告があります。大人になると成長ホルモンはほとんど分泌されず、老化をたどります。がんの発症もまた老化現象の一つという見方もありますが、ソアラ療法によって細胞レベルのアンチエイジング(抗老化)も期待されています。

<ソアラ療法のリスク(副作用)>

特に問題のある副作用は現在のところ報告されていません。

●免疫細胞療法とは

人間には生まれながらにして病気から免れる「免疫力」が備わっています。病気やケガを自然に治す力でもあるため「自然治癒力」とも呼ばれています。

一般的に免疫力というと外から侵入してくる細菌やウイルスを撃退する力という印象がありますが、正常な細胞が突然変異したがん細胞を敵とみなし、攻撃して撃退する力も備わっています。

この免疫力を担っているのが、骨髄の中でつくられる「免疫細胞」です。免疫細胞には種類があり、がん細胞を撃退する働きの中心を担っているのが「樹状細胞」や「Tリンパ球」、「ナチュラルキラー細胞」などです。これらの免疫細胞は、攻撃の司令官からがん細胞を直接やっつける攻撃部隊まで、それぞれ役割が分担され、軍隊のような命令系統をもってがんを攻撃・撃退します。

免疫細胞療法は、こうした元々自然に身体に備わっている「免疫システム」を利用したがん治療です。これらの免疫細胞を身体の中から取り出し、体外で十分な量まで増やして(培養して)再び体内に戻し、免疫力を高めることによってがんの攻撃・撃退を目指す治療法です。

免疫細胞療法は、標準治療の三大療法では治療が難しい進行がんや再発がんにも効果が期待でき、そのほかのがんに対しても三大療法の効果を補うためにがん免疫細胞療法を行っているケースもあります。

ほとんどの免疫細胞療法は保険適用外のため、補完療法の一つとして括られることもありますが、免疫細胞療法を高度先進医療として行うことを許可された医療機関もあります。また、「サイトカイン療法」のように腎臓や悪性黒色腫(メラノーマ)では保険が適用されている免疫治療もあり、免疫細胞療法は三大療法に続く第四の治療法として期待する専門家もいます。

現在、免疫細胞療法にはいくつか種類があります。

サイトカイン療法

サイトカインは免疫細胞が作る情報伝達を行う物質で、「インターロイキン2」や「インターフェロン」といった薬剤を体内に入れ、間接的にリンパ球などの免疫細胞を増やしたり、活性化したりすることでがん細胞の死滅を目指す治療法です。

活性リンパ球療法

活性リンパ球療法は、患者の体内からリンパ球を取り出し、身体の外で数を増やしたり、力を増強して再び体内に戻す治療法です。敵を特定せずに、無差別に攻撃をしかけるナチュラルキラー細胞が主役となる、自然免疫(非特異的免疫)システムによるがん治療です。

樹状細胞療法

樹状細胞は、がん細胞を無差別に攻撃する自然免疫と、敵を特定し、自ら武器を作って攻撃をしかける獲得免疫(特異的免疫)の橋渡しを行います。正常な細胞は傷つけず、がん細胞だけを狙い撃ちできる治療法です。樹状細胞は白血球の中でも数が少ないため、血液から単球を取り出し、体外で樹状細胞を培養して再び体内に戻します。このとき、患者のがんを樹状細胞に覚えさせることで、がん細胞だけを狙い撃ちすることができるという治療法です。

<免疫細胞療法の効果(メリット)>

免疫細胞療法にはいくつか種類がありますが、そのうち「サイトカイン療法」は、現在腎臓がん、悪性黒色腫(メラノーマ)では有効性が認められ、保険が適用されています。

そのほかの免疫細胞療法は、三大療法では治癒が難しい進行がんや再発がんで選択されることが多いこともあり、治療法によって効果はさまざまで評価は定まっていません。

<免疫細胞療法のリスク(副作用)>

免疫細胞療法は、患者自身の免疫細胞によってがんの治療を目指すことから、他の治療法と比べて副作用は少ないといわれています。

サイトカイン療法については、発熱や血圧低下、呼吸困難等の副作用が起こる場合もあるようです。

癌の三大療法
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