癌治療情報センター 治療方法 抗がん剤治療

治療方法

抗がん剤治療の効果とリスク

■効果(メリット)

現在のところ抗がん剤は、白血病などの特定のがんには効果を発揮することが確認されていますが、それ以外のがんに対しては、がん細胞の活動を抑える作用しか期待できまないのが現状です。いまのところ抗がん剤治療では完全にがん細胞を死滅させることはできず、病気の進行を遅らせたり、症状を緩和したりするために用いられています。

・抗がん剤で治癒が期待できるがん

抗がん剤はすべてのがんに効くとは限りません。急性白血病、悪性リンパ腫、精巣(睾丸)腫瘍などのがんには、治すことが期待できる抗がん剤があります。

抗がん剤で進行を遅らせることが期待できるがん

完全に治すことは期待できなくても、乳がん、卵巣がん、骨髄腫、小細胞肺がん、慢性骨髄性白血病、低悪性度リンパ節などは、進行を遅らせることが期待できる抗がん剤があります。

抗がん剤で症状が和らぐなどの効果が期待できるがん

前立腺がん、甲状腺がん、骨肉腫、頭頸部がん、子宮がん、肺がん、大腸がん、胃がん、胆道がんなどについては、何%かで症状が和らぐなどの効果が期待できる抗がん剤があります。

抗がん剤の効果がほとんど期待できないがん

脳腫瘍、黒色腫、腎がん、すい臓がん、肝臓がんなどは、効果が期待できる抗がん剤はまだありません。

■リスク(副作用)

正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを狙い撃ちして死滅させるような機能的な抗がん剤は、現在のところほとんどありません。がん細胞だけを狙い撃ちする分子標的薬も正常細胞を傷つけることがまったくないわけではありません。

そのため、抗がん剤治療によって正常な細胞が傷つくことで、副作用が現われることがあります。

抗がん剤の主な副作用としては、吐き気、嘔吐、発熱、肺炎(白血球減少による免疫力の低下)、貧血や消化管からの出血(赤血球減少による)、指先や足先のしびれなどがあります。

●抗がん剤治療とは

薬物を使ってがん細胞を攻撃する治療方法を化学療法といいます。抗がん剤治療は化学療法の一つで、その他に「ホルモン剤」などによる治療法もあります。

抗がん剤による治療は、化学療法の中でも代表的な全身療法です。血液を通じて全身に薬剤を行き届かせ、転移したがんや目にみえないミクロ単位のがんを攻撃します。

発生した場所にだけがんがとどまっている早期のときには、手術や放射線の局所療法が効果的ですが、全身に広がっている場合やその恐れがある場合には、抗がん剤治療が適しているといわれています。

多くのがんは早期発見が遅れると次第に全身に広がり、全身的な病気になることから、手術や放射線治療と合わせて、抗がん剤治療が用いられることも多くあります。

ホルモン剤による治療は、乳がんや前立腺がんなど、ホルモンが関連しているがんに効果が期待できます。

<抗がん剤>

抗がん剤は100種類近くありますが、一般的に抗がん剤と呼ばれるのは、がん細胞を殺す能力を持つ「細胞障害性抗がん剤」が中心です。全身に作用してがん細胞を攻撃しますが、正常な細胞も傷つけてしまうというデメリットがあります。そのため、吐き気や脱毛などの副作用が起こることがあります。

この課題をクリアするために、近年は、がん細胞のみを標的として効率よく攻撃することを目指す「分子標的治療薬」が登場し、白血病、乳がん、肺がんなどで有効な治療法して用いられています。

癌の三大療法
  • 抗がん剤治療
  • 手術による治療
  • 放射線治療
統合医療
  • 温熱療法
  • 免疫療法
  • 代替療法
  • その他の先端医療
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