放射線治療の効果とリスク
2011年05月13日
■効果(メリット)
がん細胞は、自ら細胞分裂を繰り返してどんどん増殖していきます。放射線はがん細胞の遺伝子(DNA)に直接働きかけ、細胞分裂を止めたり、がん細胞が自殺する(アポトーシス)現象を後押しして、がん細胞を殺します。
ただし、放射線によってダメージを受けても死なずに生き残ったがん細胞が、しばらく経ってから大きくなってくるという場合もあります。
■リスク(副作用)
食欲不振
放射線治療では、治療後に疲れる、食欲がなくなるといった全身的な症状が現われることがあります。
貧血、白血球減少、血小板減少
血液をつくる骨髄がある骨盤や胸骨などに広範囲に放射線が当たると骨髄の機能が落ちるために、赤血球、白血球、血小板などが減り、そのために貧血などを起こすことがあります。
皮膚の変化
放射線を照射した場所の皮膚の色が赤くなったり、シミにように色素沈着を起こしたり、乾燥したりといった変化が現われることがあります。
その他、放射線治療を行った身体の場所によって、さまざまな副作用が現われることがあります。
頭部:頭痛、めまい、脱毛、頭皮が赤くなる、吐き気、嘔吐など
口腔、頸部:ものが飲み込みにくい、飲み込むときにのどが痛い、声がかれる、口が渇く、味覚が変わるなど
肺、縦隔:ものが飲み込みにくい、飲み込むときにのどが痛いなど
乳房、胸壁:ものが飲み込みにくい、のみこむときにのどが痛い、咳、発熱、息切れなど
胃、腸:吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
膀胱:排尿困難、頻尿など