癌治療情報センター 治療方法 その他のがんの先端医療

治療方法

●HIFU(強力集束超音波)療法

HIFU(強力集束超音波)療法は、体内のがん組織に体外から一点集中で超音波をあて、がん細胞を死滅させる治療法です。

超音波は主に診断用に用いられることが一般的ですが、通常の超音波をより強力にしたものを使います。虫眼鏡で太陽光を一点に集めると、その焦点が高温になるのと同じ原理を使い、強力な超音波をがん組織に集中させ、がんを焼いて死滅させます。

HIFU療法には大きく2つのタイプがあります。一つは主に前立腺がんで使われている直腸から装置を挿入して超音波を照射するタイプ、もう一つは体外から超音波を照射するタイプで肝臓がんやすい臓がん、乳がんなどで使われています。有効性はまだ臨床試験中で健康保険は適用されていません。

HIFU(強力集束超音波)療法の効果(メリット)>

患者の身体への負担が少なく、病巣をピンポイントで攻撃できる

切らずに治せるという点で、HIFU療法は患者への身体への負担が少なくがん治療を行うことができます。また、広く浅く照射する一般的な放射線は、同じ場所に何度も照射すると周辺の健康な組織や細胞を傷つけてしまう恐れがありますが、HIFUが一回で照射する範囲は米粒よりやや大きい程度なので、健康な組織を避けながら、ピンポイントで病巣を狙うことができます。

HIFU(強力集束超音波)療法の副作用(デメリット)>

超音波が皮膚を通るときに、ピリピリとした軽い痛みを感じる場合があります。さらに、超音波が骨にあたると痛みがあり、病巣への照射もパワーが衰えてしまうため、医師の技術力によって得られる効果に差が出てくる場合があります。

また、胃や腸、肺のように空気がある臓器には超音波の効果が薄れてしまうためHIFU療法は不向きと考えられています。

超音波の性質が、放射線などと違って、身体の奥深くに入るとパワーが落ちてしまうことから、HIFUの治療効果が得られるのは体表から深さ15cmに限られてしまいます。そのため、肝臓などの大きな臓器を治療する場合は、皮下脂肪の厚い肥満体型の人では思った効果が得られない場合があるようです。

●その他のがんの先端療法とは

がんの三大療法の分野(手術、抗がん剤、放射線)では、新たな技術開発が日進月歩で進み、新たな治療法が取り入れられています。

例えば手術による治療法では、腹部を開腹せずに数箇所の小さな穴を開けて行うロボット手術、放射線治療ではがんによりピンポイントで放射線を照射する陽子線治療や重粒子線治療、抗がん剤治療でも、正常細胞をできるだけ傷つけず、がん細胞を狙い撃ちして攻撃する分子標的薬などが行われています。

いずれも、患者の体への負担ができるだけ少なくしてがん細胞だけを撃退することに主眼が置かれた治療法が多いのが特徴です。

ただし、適応するがんやステージ(病期)が限られる治療法があり、さらに保険適用されておらず、治療費は自費によるものもあります。

癌の三大療法
  • 抗がん剤治療
  • 手術による治療
  • 放射線治療
統合医療
  • 温熱療法
  • 免疫療法
  • 代替療法
  • その他の先端医療
フリーワード検索