●ロボット手術(ダヴィンチ)とは
2011年05月13日
外科手術には身体をメスで切り開く一般的な開腹手術のほか、お腹に数ヶ所の小さな穴を開け、その穴から内視鏡や電気メスを入れて手術をする腹腔鏡下手術があります。ロボット手術は、「ダヴィンチ」という手術支援ロボットを使って腹腔鏡下手術を行うもので、これまでの腹腔鏡下手術をさらに進化させたがん手術といえます。
ロボット手術は、従来の腹腔鏡下手術と同じように腹部に数ヶ所の小さな穴を開けて治療を行います。従来の腹腔鏡下手術とロボット手術(ダヴィンチ)との違いは、一つは開腹手術と同じように、医師が自分の手で手術をしているかのような精密な操作がロボットの腕を使った遠隔操作で行えることがあります。
しかも、従来の腹腔鏡下手術は平面的な二次元の画像で体内を見ながら手術をしていたのに対し、ロボット手術では立体的な三次元の画像で体内を見ることができるうえに、ロボット手術の画像のほうが人間の肉眼で見るよりも鮮明であるため、一般的な開腹手術や従来の腹腔鏡下手術より、より安全で確実な手術が行えるようになっているといわれています。
また、従来の腹腔鏡下手術は、進行がんに対しては完全に治せるかどうかが不確かであることから用いられないケースがありましたが、ロボット手術はそうした難しい手術に対しても手術治療に挑むために開発されたものです。
<ロボット手術の効果(メリット)>
傷口が小さく、患者の身体への負担が少ない
ロボット手術では、腹部に数ヶ所の穴を開けて行います。一般的な開腹手術より切開する傷口が小さくてすむため、患者の身体への負担が少なく、手術後の体力の回復も早いといわれています。
難易度の高いがん手術にも活用
食道がんや前立腺がん(前立腺全摘出術)のような技術的に難易度の高い手術では、より安全性と確実性が増しているとみられ、すい臓がんのようなこれまで開腹手術が一般的だったがんにも、傷口が小さくてすむロボット手術を行うケースが出始めています。
<ロボット手術のリスク>
ロボット手術は日本に導入されてまだ日が浅く、健康保険が適用されない「臨床研究」段階の外科療法です。そのため、治療費は基本的に自費となり、またロボット手術を行える医療機関もまだそれほど多くありません。