癌治療情報センター 治療方法 ●温熱療法とは

治療方法

●温熱療法とは

人間には生まれながらにして病気から免れる「免疫力」が備わっています。病気やケガを自然に治す力でもあるため「自然治癒力」とも呼ばれています。

温熱療法は、がん細胞が熱に弱いという性質を利用し、全身もしくはがんのできている局所に温熱を与え、身体全体の免疫を高めたり、局所的にがんの活動を弱めたりすることで、がんの治療や予防を目指す療法です。温熱療法の歴史は古く、本格的な研究は1960年代から始まっています。

温熱療法は、全身にがん細胞が遠隔転移しているような進行がんや、手術などの標準治療の手立てがなくなった再発がんにも効果が期待されています。その他のがんに対しても、放射線治療や抗がん剤治療の効果を強めるために、温熱療法が併用されることがあります。

また、体温の上昇によって全身の免疫力が活性化されるため、がんを始めとする病気予防への効果も期待されています。

<温熱療法の効果>

がん細胞を死滅

がん細胞は、正常な細胞と比べて血流が少なく、酸素も不足しています。そのため、がん細胞が高い温度(42~43度)で温められると、がん細胞内の温度が上がり、死んでしまいます。温熱療法はこうしたがん細胞の熱に弱い性質を利用して、がん細胞自体を殺す効果が期待できます。

がん細胞の自殺を促し、免疫細胞を活性化

がん細胞は自殺(アポトーシス)することが分かっており、がん細胞の自殺をコントロールしているのが細胞の中にあるミトコンドリアという小器官です。温熱によって全身を温め、全身の血行を促すことでこのミトコンドリアが活性化し、がん細胞の自殺が促されることが期待できます。

さらに、血行の改善で全身に酸素が十分にいきわたることで免疫力に関連する白血球などの細胞とその働きが活性化し、がん細胞に対する攻撃力が高まることも期待できます。

傷ついた細胞の修復

病気やストレスによって細胞が傷つくと、それを修復するために細胞は「熱ショックタンパク(ヒートショックプロテイン)」というたんぱく質をつくり出し、自らを修復します。熱ショックタンパク質が最も効率的につくられるのが温熱による刺激であることから、温熱療法によって全身を高温で温めることで、傷ついた細胞の修復が効果的に促されることが期待できます。

自己免疫力の活性化

がん細胞は正常な細胞が突然変異したもので、がん細胞にだけ現われる目印があります。ところががん細胞は、正常な細胞と見分けがつかないように自らを隠すことができます。温熱などの刺激によってつくられる熱ショックタンパク質は、隠れているがん細胞の目印(抗原提示能)を引き出す作用があることから、温熱療法で全身を温めることで、がん細胞と正常細胞との区別がつきやすくなります。しかも熱ショックタンパク質はがん細胞を撃退する免疫細胞を活性化させるため、がんに対する自己免疫力の高まりが期待できます。

放射線の副作用を増悪させない

温熱療法は放射線や抗がん剤治療を合わせて行われることがありますが、放射線治療と併用した場合、放射線の副作用を増悪させないという報告が多くあります。

<温熱療法の副作用>

温熱療法は、身体に熱を与えるため、その部分がやけどをしたり、痛むことがあります。また、温熱療法の機器にはいくつか種類がありますが、身体の深いところを熱するのに向いている高周波の機器を使った場合は、脈が速くなる(頻脈)、体温が上がるといった症状が現われることがあります。

癌の三大療法
  • 抗がん剤治療
  • 手術による治療
  • 放射線治療
統合医療
  • 温熱療法
  • 免疫療法
  • 代替療法
  • その他の先端医療
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