食道がんのステージ(進行度)
2011年05月13日
食道がんは、食道で局所的に進行するケースと、リンパ液や血液に入り込み、食道以外の場所に転移するケースとがあります。
食道がんの局所進行
食道がんは大きくなると、粘膜の下の層(粘膜下層)やさらにその下の筋層(固有筋層)まで広がります。さらに大きくなると食道の壁を突き破り、気管や大動脈、肺、心臓といった食道近くの重要な臓器に直接食い込んでいきます(臓器浸潤)。
食道がんの転移
食道にはリンパ管や血管が多いため、他の消化管のがんに比べて、他の臓器に転移しやすいがんです。食道のリンパ節はお腹や胸のリンパ節ともつながっているため、食道のリンパ節だけでなく、腹部や首のリンパ節に転移することがあります。また、血液の流れに入り込むと、肝臓や肺、骨などに転移することがあります(血行性転移)。
食道がんのステージ(進行度)は、大きく5つに分類されています。ステージは、それぞれの検査や手術時の所見、どのくらい深く広がっているか(深達度)、リンパ節への転移の有無、他の臓器への転移の程度によって決定されます。
食道がんのステージ
0期:がんが粘膜内にとどまっている状態。早期がん、初期がんと呼ばれています
I期:がんが粘膜内にとどまっているが、近くのリンパ節に転移があったり、粘膜下層まで浸潤したりしている状態。しかしリンパ節や他の臓器、さらに胸膜・腹膜にがんが認められない状態
II期:がんが食道の筋層あるいは食道の壁の外にわずかに出ていたり、リンパ節に転移している状態
III期:がんが食道の外に明らかに出ていることが認められ、食道壁にそっているリンパ節か、あるいは食道から少し離れたリンパ節にがんがあると判断されたが、他の臓器や胸膜・腹膜にがんが認められない状態
IV期:がんが食道周囲の臓器におよんでいるか、食道がんから遠く離れたリンパ節にがんが転移している時、あるいは他の臓器や胸膜・腹膜にがんが認められた状態
※日本食道学会の「食道癌取扱い規約」