●食道がんとは
2011年05月13日
食道は、口中で噛み砕かれ、唾液で消化された食べ物を、ぜん動という収縮運動によってスムーズに胃に送る働きをしています。食べ物が通りやすいように、食道の表面は滑らかな粘膜で覆われ、この粘膜は扁平上皮という細胞組織でできています。
食道がんの約90%以上は、粘膜表面にできる「扁平上皮がん」だといわれています。日本人では、食道の真ん中に発生するケースが約半数を占め、胃に近い食道の下3分の1に発生するケースは4分の1程度だといわれています。
これに対して欧米では、食道と胃の境目の腺上皮という組織から発生する「腺がん」が多く、半数以上に上っています。食道がんの発生には食生活や生活習慣が深く関わっていることから、今後、食事を含めた生活スタイルの欧米化がさらに進むと、日本人の食道がんにも、扁平上皮がんに比べて進行が早い、腺がんが増えてくる可能性があります。